究極の環境!宇宙トイレの驚きの構造
地上から約400km上空、国際宇宙ステーション(ISS)では、宇宙飛行士たちが長期間生活を送っています。食事や睡眠と同じく、排泄は生命維持に不可欠な活動ですが、全てのものが浮いてしまう「無重力」の宇宙空間で、彼らは一体どのようにして用を足しているのでしょうか。その答えは、最先端技術の粋を集めた「宇宙トイレ」の驚くべき構造に隠されています。 宇宙トイレの最大の課題は、無重力下で排泄物を確実に回収することです。飛び散った排泄物は、精密機器の故障や深刻な衛生問題に直結するため、絶対に許されません。そこで採用されているのが、飛行機のトイレと同じ「吸引式」ですが、その仕組みはより強力で精密です。 面白いことに、宇宙トイレでは「大」と「小」で使う器具がはっきりと分かれています。尿(小)を処理する際は、掃除機のホースの先のような「尿用ファンネル」という器具を体に密着させます。ファンを起動させると、空気の流れが尿を吸い込み、専用のタンクへと送られます。 一方、便(大)を処理する際の便座の穴は、地上にあるものより直径が10cmほどと非常に小さく、体にぴったりとフィットさせて隙間をなくす必要があります。そして、吸引ファンのスイッチを入れてから用を足します。強力な空気の流れが、固形物を確実に便器の奥にあるタンクへと送り込むのです。 さらに驚くべきは、その後の処理方法です。吸い込まれた尿は、高度な浄化装置によってろ過され、再び安全な飲料水としてリサイクルされます。固形物は、専用の容器に集めて乾燥・保管され、地球に持ち帰られるか、補給船と共に大気圏で燃やし尽くされます。 宇宙トイレは単なる衛生設備ではありません。宇宙飛行士の健康とミッションの安全を支える、極めて重要な生命維持装置なのです。