トイレが故障し、ようやく意を決して修理業者に電話をかけた。しかし、その先で一体何が起こるのか、どんな流れで作業が進むのかが分からず、かえって不安が増してしまうことがあります。どこに頼むかという業者選びも重要ですが、依頼から完了までの一連の流れを事前に知っておくことは、業者のペースに飲まれずに冷静に対応するための、もう一つのお守りとなります。 まず最初のステップは「電話での問い合わせ」です。ここで重要なのは、現在の状況をできるだけ正確に伝えること。「水が止まらない」「何かを落として詰まった」など、具体的な症状を伝えましょう。可能であれば、トイレのメーカーや型番も伝えると、よりスムーズです。この時、必ず「出張費や見積もり料は無料ですか?」と確認しておくことを忘れないでください。 次に、作業員が自宅に到着したら「現地調査と見積もり」が行われます。プロの目で原因を特定し、どのような作業が必要で、部品代はいくらかかり、最終的な総額はいくらになるのかが明記された「書面の見積書」が提示されます。ここが最も重要な判断のタイミングです。提示された金額と作業内容に納得できなければ、この時点できっぱりと断ることができます。 見積もりに納得し、作業を依頼する意思を伝えると、ここで初めて「契約」が成立し「作業開始」となります。逆に言えば、あなたの同意なしに業者が勝手に作業を始めることはありません。もし、見積もりも提示せずに工具を広げようとする業者がいたら、それは非常に危険なサインです。はっきりと作業を制止しましょう。 そして、作業が終わったら「完了確認と支払い」です。必ず自分の目で、トイレが正常に直っているかを確認してください。水を流してみる、リモコンを操作してみるなど、具体的な動作確認を行いましょう。問題がないことを確認したら、見積書通りの金額を支払います。最後に、領収書と、保証がある場合は保証書を必ず受け取って、すべて完了となります。 この一連の流れを頭に入れておくだけで、次に何が起こるかが予測でき、心の余裕が生まれます。この手順を無視するような業者であれば、たとえどこであっても信頼すべきではないと判断できるでしょう。
トイレ修理の依頼から完了までの全手順