キッチンの水栓交換は、決して安い買い物ではありません。だからこそ、少しでも費用を賢く抑えたいと考えるのは当然のことです。高価な水栓本体の価格を値切ることは難しいですが、業者選びといくつかのポイントを押さえることで、総額費用を数千円から一万円以上節約することも可能です。まず、最も重要なのが「複数の業者から相見積もりを取る」ことです。同じ工事内容であっても、業者によって工事費の設定は異なります。インターネットの比較サイトを利用したり、地域の水道業者やリフォーム会社、ホームセンターなどに直接問い合わせたりして、最低でも3社以上から見積もりを取りましょう。その際、見積もりの内訳が明確であるか(出張費、作業費、部品代、廃材処分費などがきちんと記載されているか)、追加料金が発生する可能性について説明があるかなどをチェックすることが重要です。単に総額が安いというだけで選ぶのではなく、信頼性やアフタヌーンサービスの有無も考慮して総合的に判断しましょう。次に、水栓本体の購入方法を工夫する節約術です。通常、工事業者に水栓本体の用意もまとめて依頼すると、本体価格に業者の利益が上乗せされるため、定価に近い価格になることがほとんどです。しかし、自分でインターネット通販やホームセンターのセールなどを利用して水栓本体を安く購入し、業者には取り付け工事のみを依頼する「施主支給」という方法があります。これにより、水栓本体の価格を大幅に抑えることが可能です。ただし、業者によっては施主支給に対応していない場合や、対応していても工事費が割高になる場合があるため、事前に確認が必要です。また、購入した水栓が自宅のキッチンに適合するかどうか、必要な部品は全て揃っているかを自己責任で確認する必要があるという注意点も忘れてはなりません。さらに、地域の水道局が指定する「指定給水装置工事事業者」に依頼することも、適正価格で質の高い工事を受けるための一つの安心材料となります。悪質な業者による高額請求トラブルを避けるためにも、焦らず、じっくりと比較検討する時間を持つことが、結果的に最大の節約に繋がるのです。