それは人生で最も華やかで、かつ最も絶望的な夜になるはずでした。親友が念願の新築一戸建てを購入し、友人一同を招いての賑やかなお披露目パーティーが開かれていた時のことです。美味しい料理とお酒を楽しみ、幸せな雰囲気に包まれていた中、私は中座してトイレを借りました。用を済ませ、最新式の洗浄レバーを軽く回した瞬間、私の背筋に氷が走るような感覚が伝わりました。水が勢いよく吸い込まれる代わりに、静かに、しかし確実に水位を上げてきたのです。便器の縁ギリギリで止まった濁った水を見つめながら、私はパニックに陥りました。新築の、しかも大勢の客がいる中で、自分がトイレを詰まらせたという事実は、あまりにも残酷な羞恥心となって私を襲いました。周囲を見渡してもスッポンなどあるはずがなく、友人を呼んで報告する勇気もありません。その時、ふとキッチンに置かれていた大きな炭酸水のペットボトルの空き瓶を思い出しました。私は音を立てないようにキッチンへ忍び込み、空のボトルを確保して個室に戻りました。カッターはなかったので、持っていた多機能ナイフで慎重にボトルの底を切り落としました。水位を調整するために備え付けのカップで少しずつ水を汲み出し、即席のペットボトルクリーナーを排水口に突き立てました。震える手で何度も押し引きを繰り返すと、周囲に水が跳ねるのも構わず必死に動かしました。十回、二十回と繰り返したその時、突如としてゴボゴボという独特の音が響き、水位が一気に吸い込まれていきました。あの時の安堵感は、どんな言葉を尽くしても表現しきれません。私は飛び散った水をトイレットペーパーで完璧に拭き取り、何事もなかったかのようにパーティーに戻りました。あの一本のペットボトルがなければ、私の友情とプライドはあの日、完全に崩壊していたことでしょう。日常の中にある廃材が、時に人の社会的生命を救う盾になることを、私は身をもって体験しました。それ以来、私はどこへ行くにも、身近な物でトラブルを解決する知恵だけは忘れないようにしています。